すねの内側や外側が痛くなるシンスプリント。シンスプリントは「脛骨過労性骨膜炎」と呼ばれていて、近年のマラソンブームによりシンスプリントになる人が増えています。
今回はシンスプリントの原因について詳しく見ていきます。
シンスプリントの原因とは
シンスプリントの原因は大きく分けて2つの要素があります。
- 硬くなった筋肉によるもの
- 歪みによるもの
ほとんどのシンスプリントの原因はこの二つに分類されており、どちらか、もしくは両方が原因となってシンスプリントになっています。
硬くなった筋肉
硬くなった筋肉がシンスプリントの原因になっているということはどういうことかというと、何度もダッシュやジャンプを繰り返すことによって、その度にスネの骨の周りにある筋肉が収縮し、骨膜が引っ張られてシンスプリントになる現象です。
よく部活をやり始めた人や、マラソンを始めた人に多い現象です。
歪みによるもの
また2つ目のシンスプリントの原因である、歪みによるものとは、足のアーチの崩れによって骨膜が引っ張られたり、衝撃がダイレクトに伝わって起こるものです。
それでは二つの原因について詳しく見ていきたいと思います。
シンスプリントの原因①硬くなった筋肉によるもの
硬くなった筋肉が原因の人は、部活を始めた新入生や、筋肉が発達していないのにマラソンをブームにのって始めた人がかかりやすいシンスプリントです。
スネの周りには様々な筋肉が骨に付着しています。
この筋肉は、ジャンプしたり、走ったりするときに収縮する筋肉です。走ったりジャンプしたりするためには、足首の動きや指の動きが重要です。
足の指を使って地面を蹴ることで推進力が生まれます。今使っている中敷きを見てください。きっと指の跡が付いているはずです。スポーツやランニング、マラソンでは足指を精一杯使ってパフォーマンスを発揮しているのです。
スポーツをするためには、これらの筋肉がとても重要な役割をします。そして見て分かる通り、この筋肉はすべてスネの骨へとつながっています。
この筋肉を酷使することによって、筋肉の緊張が起こってしまい、引っ張られている骨膜に炎症が起こりって痛みが発生します。これがシンスプリントの原因です。
また地面が硬いアスファルトのような環境でマラソンやランニングを行うとシンスプリントの原因になりやすいと言われています。
急激な運動量の増加が原因!?
この「筋肉が硬くなって」シンスプリントになる人は、新入部員になった人がかかりやすい症状です。
まだ筋肉が未発達の人が繰り返しランニングやジャンプなどの動作を行うと、スネに付着している筋肉を使いすぎてしまって筋肉が硬くなることが原因です。
ゆえにオーバーユース症の一つと言われています。
また硬い靴や硬い路面での練習もシンスプリントになる原因の一つです。急激な運動量の増加は、負担が大きくなるだけではなく、シンスプリントが悪くなると骨折する可能性もあります。
シンスプリントになりやすい競技BEST4
- 陸上競技
- サッカー
- 野球
- バスケットボール
- バスケットボール
- 陸上競技
- エアロビクス
- バレーボール
どうでしょうか。ほとんどの競技が「走る」か「ジャンプ」するのが多いスポーツがランキングに載っています。
また練習量が多いのも特徴の一つです。
シンスプリントの原因②歪みによるもの
そしてもう一つのシンスプリントの原因が「歪み」によるものです。歪みとは、足のアーチが崩れて、O脚や扁平足、浮き指、回内などを引き起こすことです。
詳しくはこちらをご覧ください。
シンスプリントのふたつの要素
シンスプリントは大きく分けて2つの要素に分かれます。
アーチの消失
ひとつは「アーチがなくなってしまって、地面からの衝撃を吸収できな」くなり、足に衝撃を伝えてシンスプリントの原因になるものです。
これは先ほどお話しした、硬い地面や靴を使うとシンスプリントの原因になりやすいことと同じ理由です。
足のゆがみ
もうひとつは「アーチがなくなってしまって、足が歪むこと」です。足が歪むとスネの骨に付着する筋肉がいつもよりも大きく負担をかけてしまい、シンスプリントの原因になります。
それでは二つの要素についてお話しします。
地面からの衝撃が吸収できない
出典:https://www.hamaspo.com/karube/vol-73
足には3つのアーチがあります。外側縦アーチ、内側縦アーチ、横アーチです。
このアーチが機能することで地面からの衝撃を緩和し、保護しているのです。
扁平足
例えば扁平足の人は土踏まずがありません。
土踏まずは内側縦アーチの部分に当たります。アーチがなくなって扁平足になるため、地面からの衝撃がダイレクトに伝わり、シンスプリントの原因になっていきます。
たアスリートの人でも土踏まずがなく、一見するとアーチが崩れているように見える人もいますが、こうした人は足に筋肉がついて扁平足に見えるだけですので、アーチが機能しているケースがあります。
必ずしも土踏まずがないから扁平足というわけではありません。
扁平足でシンスプリントになる人は、以下の2つの例があります。
①普段から運動していなくて、急に運動を始めた人
アーチは靭帯や筋肉で構成されています。普段から運動していないと扁平足になっている可能性があるため、シンスプリントになる可能性があります。
②長年悪い姿勢でスポーツをしている人
悪い姿勢でスポーツを長年していると、アーチが崩れて靭帯や筋肉が衰えていることがあります。
これもシンスプリントの原因になります。
浮き指
浮き指になると指が地面につくことができません。
浮き指のなる方はそもそも筋肉が衰えている証拠ですので、運動によりシンスプリントの原因になります。
体重が増えた人
太っている人に限らず、成長期に急激に体型が変化した人は、その変化に筋肉がついていけていない可能性があります。
特に10代は体型が大きく変化しやすい時期です。体型が変化することで、足の筋肉や靭帯が成長に追いついていけず、その状態で無理な運動をしてしまうとシンスプリントの原因になることがあります。
10代の女子は体重が約3kg変わるだけでシンスプリントや疲労骨折になる可能性が高まると言われています。
スポーツ前にストレッチを行なわない人
ウォーミングアップをせずにいきなりランニングやジャンプなどの動作をすると、シンスプリントの原因になります。
基本的なことですが、スポーツをする前に筋肉をほぐすように注意しましょう。
足が歪んでいる
足が歪むことで筋肉が無駄に緊張を起こし、シンスプリントの原因になることがあります。
歪むと、その歪みを補正するために体のいろんな部分に影響を起こしていきます。
例えば上の図がその影響を表した図になります。足の歪みがひざ・腰・肩へといろんなところへ影響を及ぼしているのが分かります。
脚は体の土台なのです。土台である足が歪めば、その歪みを直そうと、足の上の部分で歪んでいきます。
歪んでいる状態でスポーツを行うと、筋肉にかかる負担が増大し、シンスプリントなどの原因になっていきます。
オーバープロネーション
オーバープロネーションとは日本語で「回内」と呼ばれる現象です。まずはこの動画をご覧ください。
着地の瞬間、足首が曲がっているのが分かると思います。これがオーバープロネーションです。
オーバープロネーションになると足首に負担がかかるだけではなく、スネの骨に付着している筋肉が余計に引っ張られますので、シンスプリントの原因になっていきます。
この症状は診察やレントゲンでは分かりません。走った状態を観察して初めて分かりますので、シンスプリントの原因として分かりにくい原因の一つです。詳しくは「オーバープロネーションの原因は運動不足かも?あなたの足をチェックする方法」に書いていますのでご覧ください。
シンスプリントで休む期間は?
シンスプリントになったら重症度によって休む期間が変わります。その間、完治するまでスポーツなど激しい動作はしないようにしましょう。
- 軽度:1~2週間
- 重度:2~3か月
ぐらいが目途となります。
お近くの病院に相談の上、決められた期間内は安静にするようにしましょう。
まとめ
シンスプリントの原因についてお話ししました。
大きく分けてシンスプリントの原因は2つあります。
- 硬くなった筋肉によるもの
- 運動不足
- 急激な運動
- 歪みによるもの
- 扁平足
- 浮き指
- オーバープロネーション
です。これらに該当する人は、徐々に足の筋肉をつけていって、シンスプリントにならないように対策することが大切です。